このサイトについて

 

ソ連宇宙開発を扱っている私の HP へ、ようこそ！

 

ソ連宇宙開発は、夢と想像の底なし沼です。アメリカ宇宙開発に対するソ連宇宙開発の最大の特徴は、公開される情報の量が極端に少なかったことです。情報の少なさは、常に「想像と空想が入る余地」をもたらします。

 

ソ連が崩壊してはや20年。では、ソ連時代の宇宙開発に関する情報が、資本主義ロシア政府によって全て公表されつくしたか？答えはNo です。しかも、今もなお少しずつ公開され続けている情報は、不完全で断片的なものばかりです。冷戦時代から今に至るまで、世界中のソ連宇宙開発研究者は、一見バラバラに見える数多くの断片的な情報を、ジグソーパズルを組み立てる作業のようにあれこれ組み合わせ、全体像をつかもうと努力し続けてきました。科学者や研究者（ソ連宇宙開発に限らず自然科学においても）は、自分が立てた全体像の仮説の枠組みが、バラバラだった情報の各ピースと調和的になり、脳内で一つの大きな絵となったとき、強い悦楽を感じます。世界中のソ連宇宙開発研究者たちもファンも、この悦楽を得るために、今もなお想像力を働かせ続けています。

 

ソ連宇宙開発に想像力が入る余地があまりある要因は、もうひとつあります（同じ「想像」でも、こちらはより「空想」に近いものです。）。ソ連宇宙開発では、数多くの壮大なプロジェクトが、まさに大成功まであと一歩のところで極秘裏に中断、または、ごく些細な理由で失敗したからです。人は誰しも、歴史や自分の人生に関して if を空想します。「もしあの時あの子に告白していたら、今頃あの子と結婚していただろう」「もし BOOWY が解散していなかったら、今頃…」「もし馬場 VS 猪木が実現していたら、今頃…」　等々。しかしそれらの殆どは、ごく理性的または冷静に考えると、現実味が薄いものです。しかし「ソ連がアメリカより先に有人月周回を実施」（ソユーズ L1 月接近飛行計画）　「ソ連が 20 世紀中に有人火星旅行を実施」（ソ連有人火星旅行計画）「ソ連が冷戦の覇者となる」（超大型ビーム兵器衛星ポリウス）などの可能性は、確実に存在したのです。ソ連宇宙開発の「もし成功していたら」という空想＝夢は、きわめて高かった現実味に裏付けられて、大きく力強く膨らみます。

 

なお、私はこのウェブサイトを運営するにあたり、数多くの英語文献および英語ウェブサイトから情報を得てきましたが、参考文献は極力明示しない方針をサイト開設以来続けています。人は、事実と虚構との狭間にあると感じる事柄に、強烈な好奇心を掻き立てられます。人は、信頼できる一次情報と合理的根拠に乏しいが想像を遥かに上回る驚嘆すべき事柄を見せつけられたとき、健全で理性的な批判的思考と熟考を盲目にすれば、恋愛にも似たような湧き上がる興奮と悦楽を感じることができます（真剣勝負と言い張っていた時代のプロレス特に遺恨清算デスマッチ、占い、イタコ、「衝撃の真実！ソ連　極秘火星接近飛行計画」）。私は研究者ではなく、職業も宇宙開発とは縁もゆかりもありません。当サイトの目的は、研究の基礎となる資料を公開することではありません。あくまでも、ソ連宇宙開発の面白さと魅力を、もともとソ連宇宙開発に興味が無かった人にも広めることです。