グリニッジ標準時　午前6時21分 11秒。

「おいレオノフ！あれ見ろよ！」 日の出ならぬ「地球の出」だ！

 

　ロディナ宇宙船が月の裏を回るときの速度は、僅か秒速600メートルです。ちなみに、地球の自転速度は、赤道上で秒速463メートル。つまり、ロディナから見える地球の出は、月の上空約100kmを回る、アポロ宇宙船や日本の月探査機「かぐや」が撮影した「地球の出」と異なり、ふだん我々が地上で見慣れている朝日と大差ない速度で、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと、小さく丸い地球が顔を出します。

 

　アポロ8号同様、「地球の出」がソユーズL1月接近飛行計画のクライマックスであろうと、ソ連技術陣も飛行士たちも事前に予想していたでしょう。

　ここで本来は、感動的なコメントを伴って劇的なテレビ中継を行う予定でした。しかし、前述のようにハイゲインアンテナの展開に失敗していたので、テレビ中継は不可能です。よって音声のみの中継となります。また、マカロフ飛行士は、ムービーフィルムにより、この歴史的瞬間を納めます。

 

　レオノフ飛行士は、どんな歴史的コメントを発しただろうか？